幻の酒米である”雄町米”を復活させた救世主『利守酒造』

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利守酒造は岡山県赤磐市にある1868年創業の酒蔵です。

現在に至るまで雄町米が残っているのはこの酒蔵のおかげと言っていいでしょう。

かつて失われかけた雄町米を復活させるという、とても偉大な仕事を成し遂げました。

雄町米の酒をこよなく愛する僕にとっては感謝しかありません。

雄町米とは

さてここで、「知ってたらおさらい。知らなきゃあ覚えてね♪」な解説です。

「雄町米(おまちまい)」は大粒で心白が大きく軟質で麹のはぜこみがたいへん良く、昭和初期には「品評会で上位入賞するには雄町米で醸した吟醸酒でなければ不可能」とさえ言われていました。

そんな雄町米が“まぼろしの米”と言われるようになったのは、草丈が1.8メートルほどにまで成長するため強い風に弱く、病害虫にも弱いため、栽培にたいへんな手間がかかり、戦後の機械化優先の農業には不向きとされたためです。農業が近代化されるに従って雄町米は栽培面積が減り、一時は6haにまで落ち込みました。
しかし、昭和40年代後半、『良い米で本当の酒を』と決心した利守酒造四代目・利守忠義は、かつて“酒米の帝王”と呼ばれた雄町米の中でも最高とされた軽部産・雄町米の復活に乗り出したのです。

(中略)

酒造りには、コシヒカリなどの食用米と比べて、大粒で芯の白い部分の大きい米を使用します。現在では山田錦が特に有名ですが、雄町米は、それら多くの酒造好適米の“祖先”にあたります。
 もともと雄町米は、嘉永4年、高島村雄町の岸本甚造が大山参拝の帰路、偶然に珍しい品種の米を発見し、これを持ち帰って栽培したもの。温暖な瀬戸内気候、吉井川水系砂川の清流を水源とした水、そして花崗岩質の砂壌土で細かな礫が含まれた通気性の良い軽部村の土壌が、雄町米の栽培には最適な要件を備えていました。

”利守酒造ホームページ 地酒に対する心意気”より引用

 

山田錦や五百万石などの現在ある酒米の2/3は雄町米の血を引いているとも言われています。

『ジョジョの奇妙な冒険』で例えるならばジョナサン・ジョースターでしょうか。

 

山廃純米吟醸 時代おくれ

時代おくれ

時代おくれ

・原料米:雄町

・山卸廃止酛

・純米吟醸

やや黄色がかった色味が特徴的です。

味わい

これは別次元の美味さ。

甘さが濃厚で深い。

麹100%で作った甘酒に似た味わい。

幸せな甘さが広がります。

飲み方は普通の器をオススメします。錫の酒器でも飲んでみましたが、まるくなって面白くない。

時代おくれ

普通の器がお勧め

時代おくれ

錫の酒気。まろやかだが、面白みに欠ける。

冷でも燗にしても美味しい。

燗だとさらに香りが広がります。

思うこと

限定品「時代遅れ」

古き良き酒造りをいまに伝えているのではないでしょうか。

わが師の一人は言っていました。

「時間がかかるものには時間をかけなくてはならない」

その意味が言葉ではなく、心で理解できる酒です。

山廃仕込みは通常の倍以上の時間をかけて、酒母を育成するものですから。

効率化・合理化が叫ばれる昨今にあって、手間暇を惜しまずこだわりの酒を醸すその姿勢には感銘をうけます。

『時代遅れ』その名の奥底に潔さ、心意気、誇りを感じます。 ※気のせいかもしれません(笑)

 

蔵の詳細情報

電話:086-957-3117

FAX:086-957-3790

場所:岡山県赤磐市西軽部762-1 (蔵元)

公式ホームページ:利守酒造

最後に

雄町米の純米系のお酒を頂くと日本人で良かったと思います。

利守酒造がなければ、それも味わえなかったのかと思うと、ただただ感謝です。

どうでしたか?

参考になれば嬉しいです。

雄町の酒よ、永遠なれ。

 

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